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エッセンシャルオイル

天然の香料

エッセンシャルオイル

エッセンシャルオイル(精油)とは、自然植物の花や葉、木部、果皮、樹皮、根、種子などから抽出した天然のもので、その植物の香りや有効成分が高濃度に凝縮されて含まれています。
エッセンシャルオイル(精油)は、それぞれの植物によって特有の香りと機能をもっています。
日常使う、部屋の芳香剤、食器や浴槽などの洗浄剤、また石鹸やシャンプー、化粧品に至るまで、私たちの生活は香りのないものを探すほうが難しいくらい、さまざまな香りがあふれています。

ところが、これらの香りは主に石油から作られた芳香性化学物質が使われていることがまだまだ多いようです。
芳香性化学物質には、ラベンダーの香りをつけるエチルアミルケトンや甘いバラの香りに似たゲラニオール、ゼラニウムに似たジフェニルオキサイド、桂皮アルコール、安息香酸など数多くあります。
これらを調合した合成香料はアレルギーの原因となるほか、ホルモンの分泌にも影響を及ぼすともいわれています。
また、発ガン性も疑われています。
石油から作られた合成香料の成分の毒性については研究データがあまりなく、不明なことが多いのですが、香りは感覚や神経に直接作用するものだけに大きな不安が残ります。

判断しにくい表示

2001年4月に日本でも化粧品の全成分表示が義務づけられるようになりました。
ところが香料については、「香料」と表示されるだけなので、それが合成香料なのか、天然の香料なのかは見分けることができません。
そのため化粧品メーカーでは、あえて「香料」の表示かわりに、香料となるエッセンシャルオイル(精油)を表示しているところもあります。

天然の香料として多く使われているのが、エッセンシャルオイル(精油)なのです。
天然からの抽出が100%のものだけが「エッセンシャルオイル(精油)」と呼ばれ、何らかの混ぜものを加えたり、植物の香りに似せて人間の手によって作られたものとは明確に区別されます。
雑貨店などで、人工的に香り付けされたオイル(フレイグランスオイル、ポプリオイル、アロマオイルなどの名称で販売されています)も、エッセンシャルオイル(精油)と似た形で小さな瓶に入れて販売されているため、 混同してしまう方もおられますが、これらは通常、合成香料やアルコールなどが入っています。

植物を活用する知恵

古代エジプトでは病気になったときは「薬草で治療する」と記されていたそうです。
彼らは薬草の特性を知っていて、現在使用されている生薬の1/5がすでにこの時代にあったとされています。
また、薬草から「香油」をつくっていたといわれています。
「香油」とは、薬草を浸して香りを付けた油のことで、薬品やマッサージ、化粧品にと幅広い用途で使用されていたとされています。
100%天然抽出のエッセンシャルオイル(精油)とは異なりますが、その原型ともいえるでしょう。

私たち日本人は昔から12月の冬至のとき「ゆず湯」に入る習慣があります。
「ゆず湯」に入ると肌がスベスベになる美肌効果があったり、冷え性やリュウマチにも効果があり、体が温まってカゼをひかないともいわれています。
これらの効能は、ゆずに含まれている芳香成分(精油)の働きによるものといわれています。
ゆずの精油にはピネン、シトラール、リモネンなどの物質があって、これらは新陳代謝を活発にして血管を拡張させて血行を促進。
ノミリンなどには鎮痛・殺菌作用があるので、体が温まり、カゼも治るのです。
また、ゆずにも含まれているビタミンCが肌にいいことは広く知られており、リモネンは皮膚に膜を作って、肌の水分を逃がさないようになっています。
香りのいい「ゆず湯」はリラックス効果も期待でき、まさに日本式のアロマテラピー(自然療法)といえるでしょう。
オーストラリアの一般家庭の救急箱には、高い殺菌効果があることで知られているティートリーのエッセンシャルオイル(精油)が万能オイルとして入っていて、 すり傷や切り傷の消毒、水に1〜2滴垂らして「うがい」に使って風邪の予防をしたり、口臭を抑えたりしています。
また、第二次世界大戦中は、オーストラリア陸軍も消毒剤として携行したそうです。
アロマテラピー(自然療法)とは言えなくとも、植物を利用した自然療法は古くからそれぞれの地域でその自然環境に合った植物を上手に使っておこなわれてきました。
私たちは昔から植物と共に暮らし先人の知恵により、その恵みを有効活用してきたのです。

植物の育った環境を考える

現在、世界中で生産されているエッセンシャルオイル(精油)で、アロマテラピー(自然療法)などの用途に使用されるものは100種類以上あるといわれています。
それぞれの香りは、違った性質や働きをもっています。
アロマテラピー(自然療法)などでエッセンシャルオイル(精油)を使用する際は、その機能を知ることも大切ですが、自分の感覚に合った香りを選ぶことも非常に大切なことです。
たくさんの種類の中から好きな香りをみつけることは、大きな楽しみであると同時に、その「楽しい心」が心身に対してより良い効果を得るためにとても重要なのです。

天然の香りであるエッセンシャルオイル(精油)は私たちの生活を豊かにしてくれるものであり、同時に心身のバランスを健全に整えてくれる大変貴重なもので、より素敵な生活を送るための助けとなってくれるでしょう。
また、それぞれのエッセンシャルオイル(精油)には、それぞれの植物が育った場所があります。
そこにはさまざまな自然環境だったり、国の情勢だったり、その地域の人々の生活があります。
そのことは、植物が形を変えて私たちの生活に届けられるため、忘れがちです。
でも日常生活の中で、「いい香りだな」と感じたら、同時に天然の香料を選択することは私たちの体にとって良いだけではなく、現地の人たちに新たな植物の需要をもたらし、それは自然の大きな循環の一部になっているのだと感じることができるのです。

私たちムートンサステナブルは人にやさしい製品を紹介することを通して、持続可能な自然環境を考えるきっかけになりたいと考えています。