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フローラルウォーター

香る水

フローラルウォーターは芳香蒸留水と呼ばれ、植物からエッセンシャルオイル(精油)を抽出する際に副産物として作られます。
水蒸気蒸留法の製造方法の後半で芳香成分を含んだ水蒸気を冷却させ液体に戻すと、液体は油の部分と水の部分に分離します。
上部が芳香成分を含んだエッセンシャルオイル(精油)となり、下部に分離水であるフローラルウォーター(芳香蒸留水)となります。
フローラルウォーターはエッセンシャルオイル(精油)の副産物として捨てられてしまったりすることも多かったようですが、フローラルウォーターの部分にも多くの植物の成分が含まれていて、昔はとても貴重なものとして使われていました。
いまはその有効性が再認識され始めています。
ローズウォーターやラベンダーウォーターなどは化粧品等に幅広く活用されています。

幅広い用途

フローラルウォーターの歴史は古く、紀元前5000年といわれ、原始的な方法で蒸留が行われていたそうです。
化粧水の歴史とも言われていて、古くからスキンケアとして使用されてきました。
植物の種類によって差がありますが、基本的にフローラルウォーターには、保湿効果、角質をケア、肌の引き締め、エモリエント効果、ピーリング、美白効果、かゆみ止めなどがあるといわれています。
水溶性の成分が溶け込んでいることに加え、精油に含まれる油溶性の成分も微量に含まれており、作用が穏やかなので敏感肌の人や赤ちゃんでも使用することが可能です。
また、フローラルウォーターの適度な殺菌作用と芳香によって、そのままリネンウォーターに使用する場合も多くあります。
天然の香りなので、ほのかに良い香りが着くのが魅力です。
ルームスプレーとして部屋の浄化やリフレッシュにも向いています。

ブルガリアのローズウォーター

私たちムートンサステナブルは、その中でも代表的なローズのフローラルウォーター=ローズウォーターに注目し、ブルガリアから直輸入しています。
ブルガリアでは「バラの谷」と呼ばれる世界的なバラの産地があり、香料用のバラ、ダマスクローズも多く栽培されています。
「バラの谷」にあるオーガニック認定の農場には朝霧がたちこめて、バラの花弁がモイスチャーになります、バラはこの朝の時間にすべて手摘みで収穫をしています。
その潤い豊かなバラの花弁を、「バラの谷」の豊富な地下水で蒸留します。
一般的にローズウォーターはローズのエッセンシャルオイル(精油)を蒸留、抽出した際の副産物として考えられていますが、近年ローズウォーターの価値が見直されブルガリアの一部の農家や蒸留所はローズウォーター製造のために蒸留をおこない、その品質も高くなってきています。

蒸留をおこなう際に、水と花弁の比率を1:1にしてローズの精油成分の含有率を多く(ローズの精油成分の量はおよそ0.080%〜0.120%になります)してあり、1kgのローズウォーターには約0.8〜1.2gの精油成分が含まれているといわれています。
通常、ローズの蒸留は、水と花弁の比率が1:0.3くらい(ローズの精油成分の量はおよそ0.025%〜0.040%になります)だといわれ精油成分の含有量も約3倍も違ってくるのです。
この違いは、香りの違いとなって、はっきりと感じることができます。
また、ローズの精油成分が多く含まれることで植物本来のちからでの防腐が可能になり、防腐剤の添加が必要なくなりました。

困難な栽培

ただしオーガニックローズの栽培は難しく、農薬等を使用する従来の栽培と比較すると、1ヘクタールからの収穫量は従来の栽培方法5〜7tに対してオーガニックでは3〜4tになってしまうそうです。
5〜6月の収穫をはじめ、7〜10月と1〜4月のあいだずっとおこなう除草(11〜2月の冬場は除草がない)は、すべて手作業で行います。多くの労働力が必要で、遊牧民を季節労働者として雇い入れたりもします。
また、ブルガリアは社会主義体制からの転換期を経て、現在も成長と変化を続けていますが、 教育や社会的な不安定が今でも続いているといえます。
ブルガリアの貴重な資源であるローズの価値を認め、自然の豊かさを享受することで、そこで働く人々に安心と笑顔を届けることができるのだと思います。

私たちムートンサステナブルは人にやさしい製品を紹介することを通して、持続可能な自然環境を考えるきっかけになりたいと考えています。